【ホームページ制作に欠かせないキホンの用語を知ろう】
第1回「ドメイン」
初めてのホームページ制作の際に立ちはだかる専門用語。
ドメイン・サーバー・アナリティクス・SSL・CMS...普段の生活では触れることのない言葉の羅列で、初手から難しく感じてしまう人も多いと思います。そこで、本ブログでは今回から5回にわたって、これらの用語を1つずつ詳しく解説していきます。
今回のテーマは「ドメイン」。ドメインの役割や取得方法などをしっかり理解したい方、どんなドメインにしたらいいか悩まれている方は、ぜひ最後までお読みください。
ドメインとは?
ドメインとは、インターネット上での場所を特定するために不可欠な要素であり、企業や個人などを識別する上で重要な役割を果たします。
ドメインは唯一無二のもの
「ドメインが唯一無二」というのは、あるドメインとその拡張子(.com や .jp 等)の組み合わせが、他のウェブサイトやメールアドレスで使われていないオンリーワンな存在ということです。
例えば、当社のホームページは「kuritontan.com」というドメインで運用していますが、この「kuritontan.com」というドメインは、当社が手放さない限り他の人が取得できないものとなっております。
インターネットで「ドメインとは」と検索すると「インターネット上の住所」という表現をよく目にするね。
そうだね。家や建物の住所がその場所を特定するために使われるのと同様に、ドメインはインターネット上の場所を特定できることから、そういう表現をすることが多いんだよ。
ドメイン、IPアドレス、DNSの関係
ドメインは「example.com」のように、人間にとってわかりやすい文字列である一方、コンピューターはこの文字列を理解することができないため、IPアドレス(Internet Protocol Address)という固有の番号(例:93.184.215.14)を用いて、インターネット上の機器やネットワークの識別を行っています。
ドメインは人間に分かりやすいけれどコンピューターには識別できず、IPアドレスはコンピューターは識別できるけれど人間には分かりづらいし管理もしづらい...そんな時に登場するのが、DNS(Domain Name System)です。
DNS(Domain Name System)の基本的な仕組み
DNSはインターネット上でドメインとIPアドレスの対応付けを行い、必要に応じてそれぞれを変換する役割(名前解決)を担っています。
例えば、ユーザーがブラウザに「example.com」と入力すると、ブラウザはまずDNSサーバーに問い合わせを行います。
DNSサーバーはブラウザからの問い合わせを受け、キャッシュに保存されている情報やルートサーバーと呼ばれる最上位のDNSサーバーへの問い合わせを行い、「example.com」に対応するIPアドレス「93.184.215.14」を見つけ出し、そのIPアドレスを問い合わせのあったブラウザへ伝えます。
IPアドレスを返されたブラウザは、そのIPアドレスを使って「example.com」に該当するウェブサイトを表示させます。
名前解決
ドメイン名からIPアドレスを取得
(正引き)
IPアドレスからドメイン名を取得
(逆引き)
ブラウザにドメインを入力してから、ウェブサイトを表示させるまでにこんなフローがあったなんて...
DNSはインターネットを利用する上で必要不可欠な存在なんだよ。
ドメインの種類
ドメインの基本がわかったところで、次はドメインの種類について説明します。
ドメインは、ルート(.)と呼ばれる頂点を持ち、ルート直下がトップレベルドメイン(TLD)、以降、セカンドレベルドメイン(2LD)、サードレベルドメイン(3LD)という構成になっています。
トップレベルドメイン(TLD)について
ドメインを決める際、固有の文字列(〇〇.com の〇〇の部分)とともに、トップレベルドメイン(TLD)も選ぶ必要があります。
TLD(トップレベルドメイン)には大きく分けて、用途・分野別の gTLD(generic Top-Level Domains)と国や地域を表すccTLD(country code Top-Level Domains)の2つに分類でき、それぞれ異なる特徴や用途があります。
gTLD(Generic Top-Level Domains)
gTLDは、インターネットが一般に普及し始めた1990年代に導入された特定の国や地域によらないトップレベルドメインの総称です。代表的なgTLDとその用途は以下の通りです。
- .com:商業
- .net:ネットワーク
- .org:非営利団体 (NPO)
- .edu:教育機関
- .gov:米国政府機関
- .mil:米国軍事機関
- int:国際機関
- .info:情報提供など
- .biz:企業
- .pro:専門家(弁護士、医師、会計士、エンジニアなど)
- .museum:博物館、美術館 ...など
新gTLD(New Generic Top-Level Domains)
新gTLDは、2012年以降に新たに開放されたgTLDで従来のgTLDと比べて種類が豊富であり、より具体的なキーワードを含むドメインを取得することができます。代表的な新gTLDと用途は以下の通りです。
- .site:ウェブサイト全般
- .blog:ブログ
- .cloud:クラウドサービス関連
- .app:アプリケーションやゲーム
- .tokyo:東京都関連(東京の企業、団体、観光スポット、イベントなど)
- .camera:写真関連(写真家、カメラメーカー、写真スタジオなど)
- .cafe:喫茶店、カフェ
- .travel:旅行関連(旅行代理店、ホテル、航空会社など)
- .xyz:特定の分野に限定されない汎用ドメイン
新gTLDは、比較的新しいドメインで認知度が低いというデメリットがあるけれど、.com や.jp では取得できなかった文字列でのドメイン取得が叶ったり、ユニークで覚えやすいドメインを取得できるというメリットもあるよ。
ccTLD(Country Code Top Level Domain)
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)は、国や地域を表すドメインです。
ドメインの末尾に2文字の英字コードが付与されるのが特徴で、そのコードは一般的に国際標準化機構(ISO)で定められたISO 3166-1の2文字の国コードに基づいています。代表的なccTLDとその特徴は以下の通りです。
- .jp:日本
- .us:アメリカ合衆国
- .cn:中国
- .de:ドイツ
- .uk:イギリス
- .fr:フランス
- .ca:カナダ
- .au:オーストラリア
- .kr:韓国
- .in:インド
.jpドメインについて
国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)の一つである .jpドメインは、さらに以下の4種類に分類されます。
- 汎用JPドメイン
- 個人でも組織でも、日本に住所があれば誰でも登録できるドメインです。登録できるドメインの数に制限はなく、「日本語.jp」「いろはにほへと.jp」のように、漢字や全角かなを用いた日本語ドメインも登録できます。
- 属性型JPドメイン
- 組織の種別ごとに区別されたドメインです。属性型JPドメインには、以下の種類があり、汎用JPドメインとは異なり、原則一つの組織で一つのドメインしか登録できません。また、取得には一定の条件を満たす必要があります。
- .co.jp … 日本の法人で登記されている株式会社、有限会社、合同会社、合名会社、合資会社、相互会社、信用金庫、信用組合、日本に登記されている外国会社
- .or.jp … 日本の非営利団体 (NPO)
- .go.jp … 日本の政府機関や各省庁所管の研究所、特殊法人、独立行政法人(日本国の政府機関は、例外として複数のドメインが取得可能です)
- .ac.jp … 日本の高等教育機関および学校法人など
- .ed.jp … 日本の初等中等教育機関および18歳未満を対象とした教育機関
- 都道府県型JPドメイン
- 都道府県名のみを含むJPドメインです。例えば「tokyo.jp」「osaka.jp」「aichi.jp」といったドメインが取得可能でした(2010年3月31日に新規登録を終了)。
- 地域型JPドメイン
- 都道府県名や市区町村名を含むJPドメインです。例えば、東京都千代田区であれば「chiyoda.tokyo.jp」、京都市であれば「kyoto.jp」といったドメインが取得可能でした(2012年3月31日に新規登録を終了)。
なんだか種類が沢山あって、どうしたらいいやら...
ドメインはウェブサイトの顔とも言える存在で、ブランディングやユーザビリティにも影響を与える重要な要素だよ。
...プレッシャー!
悩んだ時は、以下のポイントを押さえて決めてみてね。
ドメインを決めるポイント
- 適切なTLD(トップレベルドメイン)を選択する
- 先に説明したTDLの内、自分の事業やサービスにはどのドメインが適切かを考慮して選びましょう。
- 簡潔で覚えやすい文字列にする
- ハイフンや数字の使用は控えめにした簡潔な文字列にすることでユーザーの入力が容易になり、タイプミスも減らせます。
- 企業名やサービス名、製品・商品に関連したワードを含める
- ドメインは、企業やブランドの名前やイメージと一貫性があることが重要です。ドメインを見た時に、企業名や事業内容・サービス内容が連想できるような表現にしましょう。
- 長期的な利用に考慮する
- ドメインは一度取得したら、運用し続けることが大半ですので、トレンドに左右されない普遍的なドメインにしましょう。また、将来的に事業を拡大することを考えて、汎用性の高いドメインを選ぶのもおすすめです。特に、サブドメインを活用して、サービスサイトを追加することを考えている場合は、そのことにも考慮したドメインにしましょう。
- 費用面の配慮
- ドメインは種類によって、取得費用や更新費用が異なります。どの種類のドメインも、大きな負担にはなるほどの費用ではありませんが、ドメインは一度取得したら、手放さない限り費用が発生し続けることを頭の片隅に置いておきましょう。
ドメインの取得方法
ドメインが決まったら、先ずは対象のドメインが取得可能か調べてみましょう。
調べ方はとっても簡単。
(1)ドメインレジストラの (2)Whois 検索や、空きドメイン検索ツールで、希望のドメインを入力して検索するだけで、自分が取得したいドメインの空き状況が分かります。ここで希望のドメインが空いていることが分かったら、任意のドメインレジストラのウェブサイトから取得手続きに進みます。
(1)ドメインレジストラとは
ドメインレジストラとは、インターネットの基盤となる技術を管理する非営利団体「ICANN(アイキャン)」に認定された会社または組織のことで、インターネット上で利用可能なドメインの提供・登録・管理・更新・移管などの役割を担っています。主なドメインレジストラは以下の通りです。
- お名前.com(https://www.onamae.com/)
- エックスサーバードメイン(https://www.xdomain.ne.jp/)
- バリュードメイン(https://www.value-domain.com/)
- ConoHa(https://www.conoha.jp/wing/domain/) ...など
(2)Whoisとは
Whoisは、インターネット上のドメインやIPアドレスの登録者情報などを検索できる仕組みです。具体的には、以下の情報を検索することができます。
- ドメイン:登録者情報(氏名または法人名、住所、電話番号、メールアドレスなど)、ネームサーバー情報、DNSレコード情報など
- IPアドレス:ホスト名、所有者情報、連絡先情報など
ドメインの取得方法は、ドメインレジストラによって多少異なるけれど、大半は【希望のドメインを選択】→【会員登録】→【申し込み】→【お支払い】→【ネームサーバーの設定】という流れで完了するよ。
へー
ホームページを立ち上げる時はサーバーも必要だから、レンタルサーバー契約とドメイン取得を一緒に行うと管理も楽だし、割引が適用されることもあるからおススメだよ。
レンタル...サーバー...?
まとめ
今回はホームページ制作に欠かせないドメインの基本や役割・取得方法などを詳しく解説しました。本記事の内容を参考に、ぜひ自分に合ったドメインを選び、有効活用してください。
→ 次回は「レンタルサーバー」についてご説明します